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相場・データの読み方|【独自試算】空き家900万戸・相続登記150万件——「仕入れ源」は増えているが、どこでも買えるわけではない
相場・データの読み方

【独自試算】空き家900万戸・相続登記150万件——「仕入れ源」は増えているが、どこでも買えるわけではない

買取再販ラボ 編集部公開 2026-06-01更新 2026-08-14一次情報にもとづく実務解説
全国の空き家は2023年に約900万戸、相続登記の件数も2023年度に約150.3万件へ増加。買取再販の仕入れ源は構造的に増えています。ただし空き家率が高いのは地方で、実需の出口は弱い。総務省・法務省・東日本レインズのデータを重ね、「仕入れ源の量」と「出口の質」を分けて読む視点を独自に整理します。
目次

先に結論: 全国の空き家は2023年に約900万戸(総務省)、相続登記の件数も2023年度に約150.3万件(法務省)へと増加。買取再販の仕入れ源は構造的に増えています。ただし、これを「どこでも安く仕入れられる」と読むのは危険です。空き家率が高いのは地方(徳島・和歌山などは20%超)で、そこは実需の"出口"が弱いエリア。買取再販が本当に狙うべきは、「空き家・相続が増える」×「実需の相場が付く(都市部近郊)」が両立するエリアです。この記事は、"仕入れ源の量"と"出口の質"を分けて読むための独自整理です。

「空き家が増えている=買取再販に追い風」——半分正しく、半分は落とし穴です。仕入れ源が増えても、出口(再販先)がないエリアで買えば在庫が詰まる。ここでは3つの公開データを重ねて、その構造を可視化します。


使ったデータ(公開一次データ)

  • 空き家数・空き家率:総務省「住宅・土地統計調査」(2023年 空き家 約900万戸/空き家率 約13.8%、都道府県別を含む)
  • 相続登記の件数:法務省の登記統計(2021→2023年度の推移)
  • (参考)中古マンション相場:東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の成約データ。本記事では出口の"考え方"の参照にとどめ、具体数値は 中古マンション相場データ を参照

数値と出典は、当サイトのデータページ 空き家・相続データ に掲載しています。


① 仕入れ源は「量」として増えている

指標 2018年前後 直近(2023年前後)
全国の空き家数 約849万戸 約900万戸
空き家率 約13.6% 約13.8%
相続登記の件数(年度) 約123.7万件(2021年度) 約150.3万件(2023年度)

空き家は過去最多水準、相続登記も2021→2023年度で約2割増。2024年4月に相続登記が義務化されたこともあり、「名義が動く=売りに出る」物件は今後も増える方向です。仕入れ源のパイプラインとしては、間違いなく太くなっています。

※ただし、相続登記件数の増加には義務化にともなう"過去分の登記の消化"も含まれるため、そのまま「売却物件の増加」を意味するわけではありません。とはいえ、名義が現況に合っていくほど、相続物件は売却・活用に動きやすくなるのは確かです。


② でも「空き家率が高い=狙い目」ではない(当サイトの見解)

ここが最重要の但し書きです。空き家率が高いエリアは、実需の出口が弱いエリアと重なりがちです。

空き家率が高い都道府県(2023年) 空き家率
徳島県 約21.24%
和歌山県 約21.17%
山梨県 約20.47%
鹿児島県 約20.44%
高知県 約20.31%
(参考)全国 約13.8%

これらは地方・過疎の傾向が強い地域で、リノベして再販しようにも実需の買い手が薄く、出口価格も付きにくい。つまり「空き家が多い=安く買える」は事実でも、買った後に売れなければ意味がありません。仕入れ源の"量"だけを見て地方の空き家に飛びつくのは、出口で詰まる典型です。

買取再販の妙味は、次の掛け算が成り立つエリアにあります:

仕入れ源が増える(空き家・相続の増加)× 出口が付く(実需の相場・人口・需要)

多くは都市部とその近郊。空き家率は全国並みでも、母数が大きいので絶対数は多く、かつ出口の相場が付く。ここが現実的な狙い場です(エリアの見極めは エリア相場の見方 を参照)。


③ 仕入れ源を"機会"に変える読み方

  • 量(全国トレンド)は追い風:空き家・相続の増加は、仕入れ機会の総量を押し上げる。特に相続がらみは、期限のある税制(相続空き家の3000万円控除は2027年末まで)や名義の動きで売却が進みやすい(→ 相続物件の仕入れ判断)。
  • 質(エリア×出口)で絞る:買うかどうかは、そのエリアに実需の出口があるかで決める。出口が弱い空き家は、価格がいくら安くても見送る勇気を。
  • 制度の後押しも使う:管理不全・特定空家は所有者の売却動機が高まりやすい(→ 特定空家 の考え方)。空き家一般の出口リスクの弾き方は 空き家の仕入れ判断 に整理。

まとめ

  • 空き家 約900万戸、相続登記 約150万件/年度——買取再販の仕入れ源は構造的に増加
  • ただし空き家率が高いのは地方=出口が弱い。「空き家増=どこでも買える」は誤読。
  • 狙うのは「仕入れ源が増える × 実需の出口が付く」エリア(都市部近郊)
  • 量(全国トレンド)は追い風、質(エリア×出口)で絞る——この二段で読む。

データは「増えている」と言っていますが、"どこで"増えているかと"どこで"売れるかは別。両方を重ねて読むのが、仕入れ源を機会に変えるコツです。数値の全体像は 空き家・相続データ もどうぞ。


よくある質問(FAQ)

Q. 空き家は全国でどれくらい増えていますか?
A. 総務省の住宅・土地統計調査では、全国の空き家は2023年に約900万戸、空き家率は約13.8%で過去最多水準です。相続登記の件数も2021年度の約123.7万件から2023年度は約150.3万件へ増えており、2024年4月の相続登記義務化もあって、名義が動いて売りに出る物件は今後も増える方向です。

Q. 空き家率が高い地方は買取再販の狙い目ですか?
A. 一概にそうとは言えません。空き家率が高い徳島・和歌山・高知などは地方・過疎の傾向が強く、リノベして再販しようにも実需の買い手が薄く、出口価格が付きにくいためです。買取再販が狙うべきは「仕入れ源が増える×実需の出口が付く」エリアで、多くは都市部とその近郊です。

Q. 増える相続空き家を仕入れに活かすには?
A. 相続がらみは、期限のある税制(相続空き家の3,000万円特別控除は2027年末までの譲渡が対象)や、相続登記義務化による名義の動きで売却が進みやすい傾向があります。ただしエリアの出口(実需の相場)を必ず確認し、出口が弱い物件は安くても見送る判断が重要です。


出典・参考

  • 空き家数・空き家率(全国・都道府県、2023年):総務省統計局「住宅・土地統計調査」。数値と出典は当サイト 空き家・相続データ に掲載。
  • 相続登記の件数(2021〜2023年度):法務省の登記統計。同上データページに掲載。
  • 中古マンション相場(出口の目安):東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の成約データ。

統計は公表時点の値で、集計範囲・時点により異なります。エリアの出口(実需の相場・需要)や個別物件の可否は、地域の市場と専門家の確認が前提です。本記事のエリア評価は一般的な傾向の整理であり、特定地域の投資判断を保証するものではありません。

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