買取再販の仕入れ判断では、利益・コスト・データ・物件・組織・資金にまたがって、さまざまな用語と指標が登場します。このページは、それらを1か所で確認できる用語集です。各用語の意味を短くまとめ、詳しく学べる記事へのリンクを添えています。
「この指標、どう計算するんだっけ?」というときの索引としてお使いください。各数値の目安は記事内で解説しています(税率などは制度・自治体で変わるため、正確な額は要確認です)。
利益の指標
粗利(売上総利益)
再販価格から、仕入れ価格・リフォーム費用・保有コスト・諸経費を差し引いた利益。買取再販の収益の中心。
粗利率
粗利を割合で見た指標。「粗利 ÷ 再販価格(対再販)」または「粗利 ÷ 仕入れ価格(対仕入れ)」など、分母の取り方で数字が変わるため、社内で定義の統一が必要。業界共通の正解値はない。
→ 詳細:買取再販の利益率・粗利の出し方
目標粗利(最低粗利ライン)
「これを下回ったら見送る」という自社の基準。資金コスト・物件種別・販売期間リスクから逆算して決める。
営業利益
粗利(売上総利益)から、自社の販管費・人件費を差し引いた利益。仕入れ現場ではまず粗利で可否を見るが、会社としての最終的な儲けは営業利益で見る。
利益率 × 回転
事業全体の成果を測る考え方。1件あたりの利益率だけでなく、「年に何件まわせるか(回転)」との掛け算で年間の総利益が決まる。
→ 詳細:買取再販の在庫回転率とKPI管理
コストの用語
仕入れ価格
物件の取得価格。後から下げられないため、仕入れ判断が利益を左右する最重要項目。
リフォーム費用
価値を高める工事費。解体後の追加が出やすく、予備費を見込むのが前提。工期が延びれば保有コストも増える。
→ 詳細:買取再販のリフォーム費用の見積もり方
保有コスト
物件を保有している間ずっと出ていく費用。固都税・借入金利・管理費・修繕積立金・火災保険・維持費など。「月額×保有月数+金利+固都税按分」で概算。
→ 詳細:買取再販の保有コストの計算
諸経費
取得・売却にかかる費用。仲介手数料、不動産取得税・登録免許税・印紙税、登記費用など。物件価格の数%規模になることが多い。
→ 詳細:買取再販の諸経費の計算
データの用語
成約価格/成約データ
実際に売買が成立した価格。相場の土台として信頼性が高いが、件数・鮮度に限界がある。レインズ等で会員業者が検索できる。
売出し価格/売出しデータ
今、市場に出ている募集価格(売主の希望)。量とリアルタイム性が強みだが、そのままでは相場として使えない。販売期間・値下げとセットで読む。
→ 詳細:成約データと売出しデータの違いと使い分け
㎡単価(平米単価)
1㎡あたりの価格。築年・面積・駅距離などの条件を揃えて比較する。エリア・築年帯で大きく差が出る。
→ 参考データ:中古マンション相場データ
販売期間
売れるまでにかかる日数。長いほど保有コストが膨らむ。仕入れ判断で見落とされやすい「時間」の指標。
取引価格情報/不動産情報ライブラリ
国土交通省が公表する、実際の不動産取引価格などを調べられる公的データ(公示地価・都道府県地価調査なども閲覧できる)。成約相場を補完する一次情報として使える。
公示地価/路線価
公示地価は国が示す土地の標準価格、路線価は相続税等の算定に使う道路ごとの評価額。土地値の当たりをつける際の参考になる。
物件・取得適格の用語
取得適格チェック
価格を計算する前に、「そもそも出口(買い手)が成立する物件か」を確認する工程。
→ 詳細:再建築不可・旧耐震など出口が狭い物件の見極め
再建築不可
建築基準法上の道路に2m以上接していない等で、原則として建て替えできない物件。住宅ローンが付きにくく出口が狭まる。43条2項の認定・許可等で再建築可になる余地がある場合も。
旧耐震/新耐震
1981年6月1日施行の新耐震基準より前か後か。判定は竣工日でなく「建築確認を受けた日」が基準。旧耐震は融資・買い手心理に影響することがある。
既存不適格/違法建築
建築当時は適法だが現行基準に合わない「既存不適格(適法)」と、増築未登記・容積建ぺいオーバー等の「違法建築(違法)」。リスクの重さが異なる。
心理的瑕疵
事故等、買い手の心理に影響し告知義務が生じうる事案。告知の運用には国の目安(ガイドライン)がある。
接道義務/セットバック
建築基準法上、敷地は原則として幅員4m以上の道路に2m以上接する必要がある(接道義務)。幅員4m未満の道路に接する場合、道路中心から2m後退して建てる必要があるのがセットバック。再建築の可否や有効面積に影響する。
借地権/底地
土地を借りて建物を所有する権利が借地権、その土地(貸している側)が底地。権利関係が複雑で、出口(買い手・融資)に影響するため判断に専門知識が要る。
→ 詳細:借地権と底地の買取再販
区分/戸建/一棟(レントロール)
区分はマンションの1住戸、戸建は一戸建て、一棟は建物まるごと。一棟・収益物件では各戸の賃貸条件を一覧化した「レントロール」で収益を把握する。物件タイプで判断軸が変わる。
→ 詳細:区分マンションと戸建ての買取再販の違い/一棟収益物件の買取再販
オーナーチェンジ
賃借人が入居したまま売買される物件。賃料収入を得ながら保有でき、退去後にリノベ再販する戦略もある。空室の区分より買い手が限られるぶん、競合を避けやすい側面もある。
制度・税・品質の用語
8種制限(自ら売主規制)
宅建業者が「自ら売主」となり、宅建業者でない買主に売る取引にかかる8つの規制(手付金の額の制限、クーリングオフ、契約不適合責任の特約制限など)。買取再販はこの「自ら売主」に該当する。
→ 詳細:買取再販と宅建業法8種規制
インスペクション(既存住宅状況調査)/既存住宅売買瑕疵保険/安心R住宅
建物状況を専門家が調査するのがインスペクション。一定の検査・保証が付く中古住宅の保険が既存住宅売買瑕疵保険、要件を満たした中古住宅の標章制度が安心R住宅。買い手の不安を減らし、再販時の付加価値になる。
→ 詳細:インスペクションと瑕疵保険
買取再販の税制特例
一定要件を満たす買取再販事業者が中古住宅を取得・再販する際、不動産取得税・登録免許税が軽減される特例。要件・適用期限があるため最新制度の確認が必要。
→ 詳細:買取再販の税制特例
登記受付帳
登記の申請受付を記録した情報。所有者異動や相続の端緒として仕入れ営業に使われてきたが、取り扱いが変わる。
→ 詳細:受付帳改正で変わる仕入れルート
販売・出口の用語
媒介契約(専任/専属専任/一般)
売却を仲介に依頼する契約の種類。専任系はレインズ登録が義務で、広く流通させることで買い手の母数が増える。
→ 詳細:再販物件の売り方と販売チャネル
囲い込み
売却を預かった仲介が、自社で買主を見つけるために他社への紹介やレインズ登録を不当に制限する行為。売主(再販業者)の反響機会を狭め、販売期間を延ばすため要注意。
初期反響
売り出し直後に集まりやすい問い合わせ・内見。ここを逃すと挽回が難しいため、最初の見せ方・価格設計が重要。
組織・資金の用語
属人化/標準化
判断が特定の人に依存している状態(属人化)と、誰でも同じ基準で判断できる状態(標準化)。規模拡大で属人化はリスクになる。
→ 詳細:仕入れ判断が「属人化」すると何が起きるか/仕入れ判断の標準化と新人育成
与信枠/掛目
与信枠は金融機関から借りられる総額で、同時に持てる在庫数=回転を左右する。掛目は物件価格に対して融資が出る割合(フルローンが出ないことも多い)。掛目が低いほど自己資金の手出しが増える。
→ 詳細:買取再販の資金調達と融資
在庫回転率/平均保有日数
会計上の在庫回転率は「売上原価 ÷ 平均在庫」で計算する。買取再販の現場では「資金・枠を年に何回まわせるか」というイメージで捉えると分かりやすい。回転は「保有日数の短さ × 同時保有数」で決まる。1件あたり仕入れ〜引渡の平均日数が平均保有日数。
→ 詳細:買取再販の在庫回転率とKPI管理
指値
売主・仲介の希望価格に対して引いて買うこと。データで上限を握り、売主事情に合わせて出す。
→ 詳細:不動産買取の指値交渉の進め方
まとめ
買取再販の仕入れ判断は、これらの用語・指標が「出口から逆算する」という1本の軸でつながっています。個々の意味が曖昧なまま判断すると、どこかでズレます。気になる指標があれば、リンク先の記事で深掘りしてみてください。
実際にこれらを通して使う流れは、モデルケースで学ぶ仕入れ〜再販で具体的に追えます。
