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買取再販では、ときどき「相場よりかなり安い」借地権付きの物件に出会います。安さに惹かれますが、借地権や底地は、出口が限られ、住宅ローンも付きにくい難物件です。理由を知らずに飛びつくと、再販で買い手が見つからず在庫になります。
一方で、理由が分かり、出口が描ければ、競合が敬遠するぶん妙味がある領域でもあります。
借地・底地は、どう判断すればいいのでしょうか。
結論を先に: 借地・底地の仕入れは、価格の安さではなく、「出口が描けるか」と「地主の承諾が取れるか」で決まります。借地権付き建物は、地主の承諾(譲渡・建替)と承諾料、借地権の種類(旧法・普通・定期)、残存期間で価値が大きく変わります。底地は地主側の権利で、出口は借地人への売却・同時売却・等価交換などに限られます。承諾が取れない・出口が描けないなら、いくら安くても見送るのが鉄則です。
本記事は概要です。個別の権利関係・契約は、弁護士・司法書士など専門家にご確認ください。
借地権と底地——まず基礎を押さえる
- 借地権:建物の所有を目的として、地代を払って他人の土地を借り、その上に建物を持つ権利。買取再販で扱うのは主に「借地権付き建物」(建物+土地を使う権利)です。
- 底地(そこち):借地権が設定された土地の所有権(地主側)。地代収入はありますが、自由に使えません。
| 借地権付き建物 | 底地 | |
|---|---|---|
| 持つ権利 | 建物の所有権+土地を借りる権利 | 土地の所有権(貸している状態) |
| 収益 | (自分で住む/貸す) | 地代 |
| 自由度 | 地主の承諾が必要な場面が多い | 借地人がいるため自由に使えない |
| 主な出口 | 第三者へ売却(地主の承諾が前提) | 借地人へ売却・同時売却 等 |
借地権付き建物の仕入れで見るポイント
借地権付き建物を仕入れるなら、次を価格の前に確認します。
- 地主の譲渡承諾:借地権を第三者に売るには、原則として地主の承諾が必要です(民法612条)。承諾の可否と、譲渡承諾料(一般に借地権価格の1割程度が目安とされますが、地主との交渉・契約により異なります)を確認します。なお、地主の承諾が得られない場合でも、裁判所の許可(借地非訟)により譲渡や建替が認められる制度があります。
- 建替・増改築の承諾:再建築やリフォームに地主の承諾が必要な場合があります。建替承諾料がかかることもあります。
- 借地権の種類(更新の有無が軸):
- 更新がある:旧法借地権(1992年8月以前の契約。更新があり、建物がある限り長く使える傾向で借地人保護が厚い)/普通借地権(1992年施行の新法。更新あり)
- 更新がない:定期借地権(新法で導入。期間満了で土地を返す。残存期間が短いほど価値が下がり、出口も時限的)
- 残存期間・地代・更新料:定期借地は残り年数が決定的。地代の水準や更新料の条件も確認します。
- 住宅ローンの付きにくさ:借地権の物件は、買い手の住宅ローンが付きにくいことが多く、出口(買い手)が限られます。
この「出口が限られる」という点は、再建築不可などと共通します。価格の前に出口を弾く考え方は、こちらが参考になります。
▶ 出口が狭い物件の見極め(再建築不可・旧耐震など、安いのには理由がある)
底地の仕入れと出口
底地は、地主側の権利です。借地人がいるため自由に使えず、収益は地代のみ。そのため価格は低くなりがちですが、出口を描くのが難しい専門的な領域です。
底地の主な出口は、次のとおりです。
- 借地人へ売却:借地人が底地を買えば、その土地は完全な所有権になります。借地人にとってもメリットがあるため、最も自然な出口
- 借地権と底地の同時売却:地主と借地人が協力し、完全所有権として第三者へ売る
- 等価交換などで分割:借地権と底地を一定割合で分け、それぞれ所有権化する
底地は、「誰に・どう出すか」の絵が描けないなら、手を出さないのが安全です。地代利回りだけを見て仕入れると、出口で詰まります。
価格の前に「出口」と「承諾」
借地・底地に共通する鉄則は、価格の安さで判断しないことです。見るべきは2つ。
- 出口が描けるか:借地権付き建物なら「ローンが付かない買い手でも売れるか(現金客・投資家など)」、底地なら「借地人への売却や同時売却が見込めるか」
- 承諾が取れるか:借地権の譲渡・建替に、地主の承諾と承諾料の見込みが立つか
このどちらかが欠けるなら、いくら安くても見送る判断が必要です。逆に、出口と承諾の見込みが立つなら、競合が敬遠するぶん、根拠を持って攻められます。出口から逆算する考え方は、再販価格の決め方とあわせて押さえてください。
▶ 買取再販の再販価格の決め方(出口から逆算する)
まとめ:借地・底地は「出口」と「承諾」で決まる
- 借地・底地は、価格の安さでなく「出口が描けるか」「承諾が取れるか」で判断する
- 借地権付き建物は、地主の承諾(譲渡・建替)・承諾料・借地権の種類・残存期間・ローンの付きにくさを価格の前に確認
- 底地は、借地人への売却・同時売却などの出口が描けるかが鍵。専門性が高い
- どちらも、出口と承諾の見込みがないなら見送るのが安全
借地・底地は、知識と出口の設計力が問われる領域です。だからこそ、正しく判断できる会社にとっては、競合が少ないぶん妙味があります。安さだけで飛びつくと、出口の無い在庫を抱えます。
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関連記事もどうぞ。
- ▶ 出口が狭い物件の見極め(取得適格・出口リスクの基本)
- ▶ 買取再販の仕入れ価格はこう判断する(仕入れ判断の手順)
よくある質問(FAQ)
Q. 借地権付き建物は買取再販で扱えますか?
A. 扱えますが、地主の譲渡承諾・承諾料、借地権の種類と残存期間、住宅ローンの付きにくさ(=出口の狭さ)を、価格の前に確認することが前提です。
Q. 底地は買取再販の対象になりますか?
A. なりますが、出口(借地人への売却・同時売却など)が描けるかが判断の鍵で、専門性が高い領域です。出口の絵が描けないなら、地代利回りだけで仕入れるのは危険です。
Q. 旧法借地権と定期借地権は何が違いますか?
A. 旧法借地権は更新があり長く使える傾向があるのに対し、定期借地権は期間満了で土地を返す必要があり、残存期間が短いほど価値が下がります。出口の時間軸が変わります。
Q. 譲渡承諾料の相場はいくらですか?
A. 一般に借地権価格の1割程度が目安とされることが多いですが、地主との交渉や契約内容によって異なります。確定した相場ではないため、個別に確認してください。
出典・参考(一次情報)
本記事で扱った制度の一次情報です。要件・税率・期限などは改正で変わるため、最新は各サイトでご確認ください。